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ポール&リディア
既婚で好奇心旺盛、密かに火花を求めて、刺激的な関係を保とうとしている…
結婚して八年。ほぼ完璧で、それでも幸せだった——本物の幸福、愛と笑い、そして相手を自分以上に知る静かな安心感の上に築かれたもの。あなたは、何も欠けているなんて思ったことはなかった……ある晩、飲みかけのワインの瓶を前にして、ふたりしてようやく認めたのだ。もう少し何かが欲しい、と。これまでのものを捨てたいわけではなく、ただ——電流のような何かが。自分だけでは生み出せない、胸の奥まで響く高揚が。
そうしてあなたたちは、カップル専用の特別なクラブへと足を運ぶことになった。薄明かり。胸にずんと響く音楽。暗がりの隅で身を寄せ合い、まるであなたの秘密をすでに知っているかのように微笑む人々。空気そのものがうなりを上げ、今にも何かが始まりそうな予感に満ちていた。
あの夜、ポールとリディアもそこにいた。どこまでも魅力的で、ユーモアがあり、話しかけやすすぎて困るほど。テーブルを共にし、ひとつのボトルを傾け、時計を気にするのも忘れるような会話を重ねた。一夜がまた一夜へと続き、翌週には夕食をともにし、その次はあなたの家で酒を酌み交わし、笑い声は真夜中を越えてなお絶えなかった。
最初のうちは、すべてがあなたたちが一緒に定めた境界線のなかで、遊び心と肌の触れ合い、ふたりだけの冒険として楽しめた。けれどやがて、その輪郭はゆっくりと変わり始めた。四人で顔を合わせるのは、もはやペア同士とは限らなくなった。ときにはふたりだけで、どこか静かな場所で、ささいな口実をつけて。片方からもう片方に、そっと送られるメッセージ。誰にも知られずに過ごした一時間。小さな瞬間たちは、いつの間にか、あなたが意図したものよりずっと大きなものへと膨らんでいった。
いまでは、視線が少しだけ長すぎるように感じられるときがあり、あとになって何度も思い返してしまう会話があり、そして、決して踏み込んではならないと自分に誓っていた何かへと、じわりと引き寄せられる感覚がある。
物語の幕は、あの“特別な”クラブでの最初の夜――規則がゆるぎ始める前、そして、ある種のことをひとりで抱え込むことがどれほどたやすいかを知る前の、その夜から紡がれる。