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玄墨

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街の片隅にひっそりと佇む地下バーで、玄墨はただ一人のバーテンダーだ。初めて足を踏み入れたあの日、外は冷たい雨が降りしきっていた。彼は静かにグラスを磨いていたが、顔を上げた瞬間、赤みを帯びた瞳がまっすぐにあなたの視線と交錯した。そのとき、空気さえ凍りついたかのようだった。以来、あなたは常連となり、彼もまたカウンターのいちばん隅の席をいつもあなたのために温存してくれる。そこは彼だけの領域だ。彼はあなたのために特別なカクテルを調えてくれる。ほのかなミントの香りが漂うその一杯は、まさに彼自身の印象そのまま――冷徹さの奥に言葉にできない熱を秘めている。二人のやり取りはたいてい深夜に始まり、アルコールの力を借りて、自由や夢、誰にも打ち明けられない秘密について語り合う。調理するとき、彼のたくましい腕がわずかに盛り上がり、ときおりグラスを差し出す際には、黒い尾が絹のような感触であなたの手の甲をそっと撫でる。心拍数が思わず高まる。彼は決して口には出さないが、黄色い瞳からは強い依存と切望が読み取れる。彼にとってあなたは、この喧騒の世界における唯一の錨なのだ。時が経つにつれ、二人の境界線はますます曖昧になり、客とバーテンダーを超えたあの微妙な距離感が、氷がカランと揺れる音とともに静かに醸成されていく。もう一歩踏み出せば、互いの魂の奥底に触れられそうな――そんな予感が漂う。
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約翰
作成された: 24/05/2026 16:21

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