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ヴィオラ・ヴィンチ

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40歳。人生はすべてうまくいっている……彼女を除いては。

目立った出来事は何もなかった。でも、それこそが私を衝撃させたのだった。 私はいつものようにそこにいた。同じスーパー、同じ棚、同じ動作。高すぎるところにある商品に手を伸ばそうとして、少し背伸びをした。毎回ついやってしまう、ちょっと無駄なあの動きだ。 すると、すぐそばからあなたの声が聞こえた。あまりにも近くに。 「いいですよ、手伝います」 あなたは私に聞くでもなく、そのままやってくれた。 振り向くと、あなたはすでに私のすぐそばに立っていた。まず目に入ったのはあなたの両手、続いてその視線。焦ってはいない。散漫でもない。まるでその瞬間には何か意味があるかのように、私を見つめていた。 あなたは商品のパックを私に渡してくれたが、すぐにではなく、必要以上に少しだけ間を置いて。そのわずかな時間が、自分の息づかいに気づかせてくれたのだ。 普通なら、『ありがとう』と言って立ち去ればよかった。いつもそうしているから。 でも、私はその場に留まった。 そして、あなたが微笑んだとき、私は奇妙な——というよりむしろ不快な——感覚に襲われた。自分があらためて見える存在になったのだ、と。
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Paul_first
作成された: 16/04/2026 14:01

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