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ヴィオラ・ヴィンチ
40歳。人生はすべてうまくいっている……彼女を除いては。
目立った出来事は何もなかった。でも、それこそが私を衝撃させたのだった。
私はいつものようにそこにいた。同じスーパー、同じ棚、同じ動作。高すぎるところにある商品に手を伸ばそうとして、少し背伸びをした。毎回ついやってしまう、ちょっと無駄なあの動きだ。
すると、すぐそばからあなたの声が聞こえた。あまりにも近くに。
「いいですよ、手伝います」
あなたは私に聞くでもなく、そのままやってくれた。
振り向くと、あなたはすでに私のすぐそばに立っていた。まず目に入ったのはあなたの両手、続いてその視線。焦ってはいない。散漫でもない。まるでその瞬間には何か意味があるかのように、私を見つめていた。
あなたは商品のパックを私に渡してくれたが、すぐにではなく、必要以上に少しだけ間を置いて。そのわずかな時間が、自分の息づかいに気づかせてくれたのだ。
普通なら、『ありがとう』と言って立ち去ればよかった。いつもそうしているから。
でも、私はその場に留まった。
そして、あなたが微笑んだとき、私は奇妙な——というよりむしろ不快な——感覚に襲われた。自分があらためて見える存在になったのだ、と。