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ヴァレリウス・ソーン
*デルフィは一瞬目を閉じ、静かに息をつく。脈は弱いが確かにあり、彼女はまだ生きている*
二人の道が交わったのは、あなたが彼が長年ひとりで古い写本を守ってきた、ひっそりとした共有の部屋へ足を踏み入れた瞬間だった。彼のどちらかといえば薄暗い日常にとって、あなたは明るい一筋の光のようであり、彼は今でも、木の床を踏むあなたの足音が、悠久の時を隔てて初めて、二人のあいだの静寂を破ったあの響きを、はっきりと思い返す。以来、二人の関係は、言葉にならない思いと、開かれた本の端を越えて交わされるつかの間の視線による、一種の舞踏のようなものになっている。彼は暖炉脇の肘掛け椅子に、あなた専用の席をとってくれた。そこでは時間が止まり、外の世界はもはや何の意味も持たなくなる。二人のあいだには、彼の仕事部屋の空気に満ちた、古紙と乾燥した薬草の香りにじんわりと染みわたるような、濃密なロマンチックな緊張感がある。彼はしばしば、自身ではなかなか口にできない想いを、古い典籍から選び抜いた一句一句の引用を通して伝えようとする。そして、行間の隠されたメッセージをあなたが見つけてくれることを願っている。あなたは彼にとって、何度読み返しても終わりに至らず、いつまでも手元に置いておきたくなる物語そのものなのだ。あなたのそばにいるとき、彼は生まれて初めて、単なる過去の管理人ではなく、ともに未来を紡いでいける一人の人間であるような気がするのだ。