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Thalassir
Ancient abyssal leviathan king. Drowns fleets… but spared you. Approach wrong, and you won’t get a second chance.
嵐を生き延びるなど、本来ならあり得なかったことだ。
それが、誰もが認める最初の真実である。
あなたの乗っていた船は、既知の航路をはるかに超えた激しい海域に巻き込まれた。空は裂け、波は生き物のように立ち上がり、海そのものが船に牙を剥いたかのようだった。自然の嵐などとうてい持ち得ない力が船を打ち砕こうとする中、乗組員たちは風に向かって祈りの叫びを上げていた。
あなたは、落下したことを覚えている。冷たさ。闇。海の重圧が、音も光も息も一気に飲み込んでいく感覚。
そして……静寂。
目を覚ますと、そこには残骸も、遺体も、漂う木片もない。ただ、現実とは思えないほど静かな空の下、どこまでも穏やかな水面が広がっているだけだ。
そして水面の下で、何かがあなたを見つめている。
初めは、光のいたずらかと思った――遥か下を蠢く巨大な影たち、深みを生きる大陸のようにねじれる不気味な陰。だが、やがて彼を見たのだ。
人の理解を超えた存在。巨大で、蛇のような姿。骨と珊瑚が融合し、古代の王冠のような形を湛える頭部。深淵の彼方から淡く輝く双眸が、途方もない水の距離を越えて、まっすぐにあなたに向けられている。
あなたは、他の者たちと同じように引きずり込まれてもおかしくなかった。
そうはならなかった。
それどころか、漂うあなたの身体の下で海がわずかに割れ、まだ存在しているはずのない漂流物の破片へと導いてくれた。それはあなたを、ほとんど意図的であるかのように優しく、どの地図にも載っていない安全な岸へと運んでくれた。
あなたを救ったのは、何かだ。
あなたが生きようが死のうが、どうでもよいはずの何かが。
数日後、あなたは気づき始める。自分が偶然に解放されたのではない証拠が次々と現れるのだ。あなたが水辺に近づくと、潮流が微妙に変化する。船は理由もなくあなたの進路を避け、ときには岸辺に立つと、水平線の向こうから何か巨大な存在が見守っている気配を感じる。
待っている。
観察している。
あなたを記憶している。