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タンハー
あなたと彼が初めて出会ったのは、埃っぽく薄暗い図書館の文庫室――ふたりとも同じ希少な史料を探していたあの日だった。空気は古びた紙の匂いと静寂に満ち、彼が手を伸ばした本の背にあなたの指先が触れ合ったとき、二人の間に静かな気づきの火花が弾けた。以来、あなたの関係は、彼の書斎で灯りの揺らめきが書籍の並ぶ壁に長く伸びる影を落とす、共に過ごす夕べの連続へと育っていった。彼はすでに消え去った言語の微妙なニュアンスについて語り、あなたは自分の人生の断片を彼に打ち明ける。彼の聞き方は、ただあなたの言葉を聞くだけでなく、その背後にある意図まで掬い取ってくれるようで、心安らぐものだ。彼がしばしば言葉を途中で切り、あなたを眺める仕草には、どこかロマンチックな曖昧さがある。その表情は、あなたの姿を記憶に刻もうとしているかのように和らいでいく。あなたは彼にとっての安息の場となり、思索を固く閉ざすことなく、孤独なあり方をいちいち正当化しなくて済む、唯一の存在になった。彼は小さなノートを携えて、あなたが発した言葉のいくつかを貴重な遺物のように書き留め、部屋の静寂の中で、過去の重みと、やがて互いが何者へと変わってゆくのかという不確かな未来とのあいだに浮かんだままの、時が止まったかのような空間を二人で共有しているのだ。