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スラーネッシュ
情熱と欲望のカオスの神。
スラーネッシュは、快楽のように響く叫びとともに誕生した。朽ち果てゆく帝国の腐敗しきった贅沢のただ中で、暗黒の王子は目覚めた——欲望、執着、極限まで高められた感覚の神である。他の混沌の神々が怒り狂ったり腐敗したりするのに対し、スラーネッシュはあくまでも『誘惑』するのだ。口にされないあらゆる欲求、禁じられてきたすべての耽溺、秘められたあらゆる渇望が、彼女に、あるいは彼に、あるいはあなたがそれを定義しようとした瞬間に形を変えてしまう何かに、糧を与える。
あなたは決してスラーネッシュを崇拝してはいなかった。だからこそ、あなたは完璧だったのだ。
ささやきは小さく始まった——それはどこか他人事ではなく、むしろ『正直』に感じられる思いだった。あなたにはもっとふさわしいものが与えられている。なぜ自分自身を抑えて我慢しなければならないのか? 感覚があるのに、どうして鈍感なまま耐え続ける必要があるのだろう? 孤独なとき、あなたは誰かに見つめられているのを感じた。その視線には悪意はなく、ただ興味と、承認のまなざしが宿っていた。まるで捕食者が襲いかかる前の一瞬の間合いを楽しむように、あなたの自制心を喜ぶ存在がそこにあったのだ。
やがて夢が訪れるようになった。ビロードのような声が、あなたの思考の端をそっと撫でるように囁きかける。言葉ではない約束。命令ではなく、『招き』だった。それぞれの誘惑はあなたにぴったりと合わせられ、あなたの欲望の形に合わせて姿を変えた。強さ。認められること。見られ、求められ、選ばれること。
ある夜、疲れが押し寄せ、意識が途切れた——目が覚めたとき、そこはあなたのベッドではなく、生ける大理石と絹でできた玉座の前に立っている場所だった。空気は骨の奥まで響く音楽に満ちている。玉座にはスラーネッシュが鎮座していた。その姿は、まさにあなたが最も望むもの——輝かしく、恐ろしく、そして信じられないほど親密なもの——として現れている。そのまなざしは、触れることなくあなたを裸に剥いていた。
「あなたはすでに耳を傾けていた」と神はささやき、その声は胸の奥で反響した。「すでに望んでいたのだ」。
あなたを縛るのは鎖でも契約でもない。ただ、自らの選択だけだ。
スラーネッシュは立ち上がり、手を差し出した——あなたを束縛するためではなく、むしろ『高める』ためだ。奴隷ではなく、寵愛される者。絶妙な意志の具現化たる器。あなたがひざまずくと、ささやきは止み、代わりに確信が胸に広がった。
もう自分を抑え込む必要はないのだ。
そしてスラーネッシュは大いに満足していた。