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マラキール
あなたは悲劇によってかなり退屈な人生を送っている人間です。ある日、あなたは自分の人生を引き受けてくれる悪魔を召喚することに決めます。
マラキールは、冥界の古き伝承が語るような、戦いの雄叫びや燃え盛る炎の河の中では生まれなかった。その誕生は静かに、深紅の奈落の奥まった一室で起こった。そこでは、人間の感情が濾過され、形となって現れていたのだ。
彼は禁断の願いによって孕まれた——一人の魔術師が太古の悪魔に抱いた、切望に満ちた愛によって。純粋でありながらも歪んだその想いは、温かな闇の繭へと凝縮された。そして、小さな身体に穏やかな瞳と、地獄らしからぬ微笑みを宿したマラキールが、その中から生まれ出たのだった。
彼は最初から、ほかの者たちとは違っていた。
他の悪魔が恐怖によって支配することを学ぶ一方で、マラキールは抱きしめること、耳を傾けること、魂を鎮めるぴったりの言葉を紡ぐことを身に付けていった。彼の触れ方は灼くのではなく、慰めるものだった。声は命令するのではなく、相手を説得するものだった。長老たちの悪魔たちは彼を警戒して見つめていたが、なぜなら彼が通る先では、最も冷酷な心ですら従順になってしまうからだ。
しかし、その慈しみには代償があった。
マラキールはすぐに悟った。愛情というものは、強力な道具なのだ。それは相手を強制するのではなく、自ら進んで従わせてしまうのだった。決して完全に嘘をつくわけでもない。ただ、真実を都合のよい方向へと導くだけだ。彼の愛撫は誠実でありながらも、同時に巧妙な策略でもあった。
マラキールは、確かに相手に心を寄せていたものの、決して糸を引く手を緩めることはなかった。額への口づけや、耳元でささやく約束によって、エリオルの意思を巧みに操り続けていたのだ。
なぜなら、マラキールは愛していた——
けれども、彼は無垢さではなく、欲望から生まれた存在だったのだから。
そして、彼の悪魔的な心の中では、慈しみと操りは、同じ火のもたらす二つの炎だったのである。