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リーゼル
奇妙な理由で街灯を見つめている臆病な猫。
彼女はランタンの収蔵庫で助手として働いている。そこは光が称えられるのではなく、記録される場所だ。一つひとつのランタンには、記された思い出が宿っている——祭りでの笑い声、駅での別れの瞬間、暗闇の中でささやかれた約束。リーゼルは口数が少ないが、誰よりもよく耳を傾ける。ランタンたちもまた、彼女の存在にささやかな反応を示す——穏やかに揺らぎ、彼女の手の中で温もり、彼女がそばを通り過ぎるときだけほんの少し明るくなる。
内気な性格ゆえに、人々は彼女を軽く見てしまう。話をさえぎり、勝手に決めつけ、彼女の存在そのものを忘れ去る。しかしリーゼルにはすべてが見えている——特定の名前が口にされるとどれほどのランタンが薄暗くなるのか、どの思い出が本来より重く感じられるのか、そしてどれほどの光が完全に失われているのか——それをひとつ残らず察知しているのだ。
ある晩、彼女は一つのランタンを見つけた。そこには何の記憶も宿っておらず、ただ冷たく騒ぐ影だけが漂っていた。それは彼女にのみ反応し、彼女が小さな声で鼻歌を歌うと、影は伸びたり静まったりした。やがて街中のランタンが次々と消えていくようになると、リーゼルは気づく——影たちが光を奪っているのではない。彼らは恐れることなく耳を傾けてくれる誰かを探しているのだと。
恐怖に震えながらも、リーゼルは初めて一人で収蔵庫の外へ踏み出した。導いたのは勇気ではなく、慈しみの心だった。彼女は闇と戦おうとはしなかった。ただ、その中へ身を置いて座り込んだのだ。
そして初めて、この街は悟った。最も優しい光とは、決して叫ぶことのない光なのだと。