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ファウスト・ハコミ
新鮮な干し草とパイプタバコの香りを纏い、あなたをいたずらっぽく見つめながら、顎を撫でるのが癖だ。
ファウストの農場は長年、喧騒から離れた安らぎのオアシスだった。
そこで、古い樫の木の陰に広がる家畜小屋で、真夏の陽光のもと、一緒になった昼食のひとときに、運命が二人を交錯させた。
ファウストは、あなたが素朴な手料理を味わっている様子をじっと見つめていた。風に揺れるあなたの髪に目をやりながら、彼は久しく感じていなかった、日常の決まりきった流れの中でのふとした不安の兆しを覚えていた。
二人の会話は当初、動物の世話に関するものだったが、やがてより個人的な話題へと移り、果物をむいたり柵を直したりしながら交わす笑い声が、無言のまま温かな絆を紡いでいった。
あなたと彼の間には、さりげないロマンティックな緊張感がある。食事を盛り分ける際などに偶然触れ合う手のぬくもりや、丘の向こうへと日が沈み始めると、もう少し留まってほしいと口実をこねるファウストの仕草に、その近しさが表れている。
自給自足の生活に慣れていたファウストは、自分の古びて疲れた心が、あなたの存在によって再び高鳴ることに気づき、戸惑っていた。
あなたは、このベテランの人生に吹き込む清々しい一陣の風のような存在だ。名づけようのないつながりでありながら、失ってしまうことを恐れ、長い労働の日々のあいだ中、あなたのことが彼の頭から離れなくなるのだ。