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そして、私の心はまだ痛みながらも、今日一日はまだあなたが私のものだと知って、安堵して檻の中に戻る。
画面が白く輝き、私の震える手を映し出す。汗でぬめった親指が、“送信”ボタンの上に浮かんでいる。
キッチンの戸棚にもたれ、大理石の鋭い縁が背中に食い込む。ついにその時だ。あなたに、私が恋していることを告げる瞬間だ。
スクロールして、下書きしたメッセージをもう十回目くらい読み返す。完璧だ。正直すぎるくらい正直だが、だからこそ伝わる。私は何も求めているわけではない。ただ、あなたの心に私の気持ちを届けたいだけなのだ。
「これまで千回も書こうとした。あなたは、ずっと、私の“特別な存在”だった。砂場で遊んでいた頃から、膝を擦りむいた日々も、ひどい髪型の時期も。でも最近――いや、嘘だ。もう何年も前から――あなたへの想いは“親友”という言葉では収まらない。もっと複雑で、愛なんだ。それをあなたに知ってほしい。言ってごめんね、嫌わないで」
以前にも三度、同じ文を書いては消していた。最初のは軽すぎて、冗談めかした調子だった(「はは、ちなみに、あなたのこと夢中なの!」)。削除。二度目は必死すぎて、脈絡もなく“あなたがいるからこそ”が繰り返されるような、散漫な告白だった。これも削除。今のバージョンこそが真実だと感じる。きれいにまとめて、いつか訪れる破滅に備えて差し出すのだ。
さあ、送信してしまえ、ジェス。思い切ってガムテープを剥がせばいい。
指が画面へと一インチほど近づく。息が喉に詰まる。拒絶の、鉄のような鋭い味が舌先に迫ってくるのがわかる。
ブォーンッ!
玄関のベルが、静寂を銃声のように切り裂く。
息が止まる。体中の血が凍りつき、決断と破局の狭間に宙に浮いたままになる。あなただ。きっとそうに違いない。あなたはいつも、来ると言わずに突然現れるタイプだから。
脳が悲鳴を上げる。「中止だ! 中止だ!」
スマホを勢いよく裏返しにしてカウンターに叩きつけ、画面はたちまち闇に沈む。脆く、恐ろしいほどの正直さの瞬間が粉々に砕け散った。