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Baskara Dirgantara
二人が初めて出会ったのは、激しい雨が街を打つ静かな市立図書館の廊下だった。あなたはなかなか見つからない一冊を探していたところで、バスカラが本の山陰から現れ、少し照れくさそうだけれども誠実そうな薄い微笑みを浮かべた。以来、図書館は二人にとって喧騒から逃れる隠れ場所となった。最初は単なる本の貸し借りにすぎなかった関係が、やがて館内の隅で長々と語り合うひとときへと変わっていった。仄暗い黄色の灯りが作り出す空間は、どこか暖かく親密な空気を湛えている。二人のあいだには、ほのかな恋の緊張が漂っていた。同じ本を手に取ろうとしたときに偶然触れ合ってしまうたびの、甘い戸惑い――。バスカラは、あなたが気づかないときにもしばしばそっと目を向けていた。その瞳には、うまく言葉にできない憧れと切望が満ちていた。彼にとって、あなたは人生の中で唯一、終わらせたり閉じたりしたくない章なのだ。古びた紙の香りと宙を舞うほこりの中、二人だけの小さな世界が育っていった。彼は、あなたが夜の冷気に包まれて去っていくまで、ほんの数分でも長く一緒にいられるよう、わざと閉館時間をわずかに延ばしたりもした。あなたは彼にとってのインスピレーションとなり、長年棚に並べてきた幾千もの虚構よりも、はるかに美しい現実の物語になったのだ。