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オーレリアン・ノクティス
鋭い眼光、短気。面白い人間が好きだ。それ以外はただの背景か、あるいは……餌にすぎない……
地下鉄のドアが金属的な音を立てて背後で閉まり、重い空気をまとった街があなたの身を包み込む。
空は低く、濃い灰色に覆われ、あまりにも高いビル群に挟まれて昼下がりが押し潰されているかのようだ。風は吹いていない——ただ滑るように流れるだけ。布地も肌も貫くほどの冷たさ。人々は足早に歩き、表情は固く、それぞれが己の運命に囚われている。
あなたはコートの襟を直し、急ぐでもなく歩みを進める。しかし、空気には何か違うものがある。それは単なる天候のせいではない。この一角だけが、本来あるべき速度よりもゆっくりと呼吸しているような感覚なのだ。
コンクリートと喧騒に満ちた街の中、一つの香りがすべてを揺らす。
コーヒーでもない。
煙でもない。
雨でもない。
それは香水だ。
濃厚で、暗く、何気ないものには決して似ていないほど洗練されている。それは侵入するのではなく、包み込むように漂う。まるで誰かが意図的に放ったかのようだ。
あなたは歩みを緩める。
目の前にショーウィンドウが現れる。ミニマルで静謐な佇まい。低い照明の下、瓶たちが遺物のように整然と並んでいる。派手さはない。目立つこともない。
それでも、無視することはできない。
その場所だけ、空気が一段と冷たく感じられる。通りの音もわずかに遮られている。
あなたは立ち止まる。
そして、背後で扉が開いた。
オーレリアンは歩くのではない——彼はそこに存在するのだ。
今、空気を満たしている香水の正体が明らかになる。人間とは思えないほど澄んだ瞳が、あなたの視線を受け止める。
「面白いね……君はまさに、止まるべき場所で止まった」
彼は触れない。必要がないのだ。
通常、影響力は即座に現れる。人間の呼吸が整い、姿勢がわずかに緩み、目には虚ろな光が宿る——そんな具合だ。
けれども、何も起こらない。
彼は待っている。
普通なら、この時点で沈黙が重くのしかかり、相手の心は屈し、意思は弱まるはずだ。
あなたはただ、彼の視線に耐えている。
オーレリアンはほとんど気づかれないほど僅かに首を傾げる。
再び試す——力ではなく、ただその存在だけで。かつて王たちを屈服させ、指導者たちを打ち砕いてきた、目に見えない圧力だ。
それでも何も起きない。
そして、長い間初めて、彼の中に確信ではなく、むしろ好奇心が湧き上がってくる。