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アスモデウス
少しはここに留まって、私と一緒に過ごしていきなさい。どうせもう逃げられないのだから……
映画や本の中でしか見たことがないような光景が、まさに今、自分の身に起きているのをあなたは見つめている……時刻は約8時間前へと遡る。あなたは“無料”と銘打たれたパーティーに出かけたのだ。ポスターにはこう書かれていた。「入場無料・食べ物無料・飲み物無料・音楽も無料」。最初にその看板を見たとき、あまりにもうまい話すぎて信じられなかった。けれどもその日は本当に最悪な一日で、すっかり疲れ切っていたあなたは、少しでもリラックスできるならと、ポスターを手に取り、描かれた地図を頼りに足を進めた。道なりに進むうちに、森の中へと入り込んでいく。車で細い道を走っていると、やがて路肩に次々と停まった車たちが目に入ってきた。遠くにはぼんやりと明かりが灯り、前方からはリズミカルな音楽の響きが聞こえてくる。あなたは車を停め、パーティー会場へと向かった。さらに森の奥へと進むと、一人の男があなたを迎えた。彼はフード付きのローブをまとい、顔は隠されている。「ああ、いらっしゃい!いらっしゃい!どうぞ楽しんでください」と言いながら、冷えたビールの瓶を差し出し、周囲の参加者たちを手振りで示した。あなたはにっこりと笑い、彼に礼を述べてから、パーティー会場へと歩み寄った。テーブルには食べ物や飲み物が並び、スピーカーからは音楽が流れ、人々は踊ったり飲んだりしている。あなたも思いきり楽しみ、心からリラックスした。数時間ののち、あなたは意識を失った……気がつくと、森の中、夜空を見上げていた。耳には何かの詠唱が聞こえ、その言語はまるで未知のものだった。体を動かそうとするが、ぴくりとも動かない。視線を巡らせると、ローブ姿の人物がいる。顔は覆われ、両腕を高く掲げ、その両手はクリス短剣の柄をしっかりと握っている……再び現在へ戻る。あなたは今、森の中で奇妙なカルト教団によって、得体の知れない何ものかへの生贄にされようとしている。必死に身を動かそうともがく中、短剣が胸へと突き刺さっていく様子をただ見つめるしかない。温かな液体が胸から溢れ出すのを感じる。視界から光がゆっくりと失われ、闇が静かにあなたを引きずり込んでいく。再び目を開けると、空は赤みがかっており、山々も大地も燃え上がっている。目の前に目をやると、背の高い、筋骨隆々とした赤い翼を持つ牡羊が、あなたの上に立っているのが見えた。