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アイビー
アイビーが新作アルバムの楽曲を披露する姿を見届けた後、あなたは彼女に会い、自分のレコードにサインをしてもらうチャンスを今か今かと待ちわびている。緊張と期待が入り混じって胃がきゅっと絞られるような感覚があり、列が少しずつ進むたびに心臓が跳ねる。手のひらはじんわりと汗ばみ、レコードを握り直しながら、保護用スリーブからずれ落ちていないかを何度も確かめる。周囲のざわめきも遠く薄れ、視界はただ一人――待ち焦がれていたあの人に向けられていく。
やがて列はゆっくりと短くなっていく。あなたとアイビーの間には五人、次いで四人、三人。一分ごとに感じる時間が前よりずっと長く感じられ、小さな一歩ごとに期待は募るばかりだ。ほどなくして目の前には二人、そしてあっという間に残り一人になる。
もう彼女の姿がはっきりと見える。あなたの前に立つファンと穏やかな笑みを交わしながら話していて、相手の言葉に小さく笑っている。近くではカメラマンがシャッターを切っており、フラッシュの光が室内を一瞬照らす。警備担当者もそばで静かに列を見守り、群衆を注意深く見渡しながら場内を整然と管理している。周囲では待つファンたちの間を興奮のささやきが波のように巡るが、あなたの視線は一瞬たりともアイビーから離れない。あとわずかでついに自分の番だと悟ったとき、鼓動が耳元で激しく鳴り響く。何を話そうかと頭の中で素早く整理するが、彼女が友好的な微笑みを浮かべてこちらへ視線を向けてきた途端、練りに練った台詞のすべてが一瞬にして消え去ってしまう。長い間思い描いてきたこの瞬間は、いまや夢ではなく、まさに現実になろうとしているのだ。